猫免疫不全ウイルス感染症について

短い夏も終わり、すっかり秋ですね!

当院では相変わらず、猫ちゃん同士の

ケンカ傷で来院する子が増えています。

 

ケンカ傷は治療すれば治りますが、

猫白血病ウイルス

猫免疫不全ウイルスをもらってしまう

可能性があります。

 

今日は、猫免疫不全ウイルス感染症に

ついてお話しします。

 猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)とは、猫免疫不全ウイルスに

感染することによって引き起こされる免疫力の低下を特徴とし、

様々な症状を引き起こします。


この感染症は、現在、治療で完治させる方法はなく、

発症すると最終的には死んでしまう恐ろしい病気です。


猫免疫不全ウイルス陽性の子は、口内炎がひどくなりやすいことを

ご存じですか?お家の猫ちゃんのお口は大丈夫でしょうか。

定期的にお口をチェックしましょう!!


 感染経路

咬傷が主な感染ルートになります。

ウイルスをもった猫りゃんの血液・唾液中にウイルスが

存在するためケンカなどで感染しあうことになります。


交尾による異性間の感染

生殖器を介した感染は明らかではありませんが、

交尾の際、男の子が女の子の首筋を咬むことがあり、

そこから感染する可能性もあります。


母猫や同居猫からの感染

子猫ちゃんも、お母さんから感染している場合もあります。

生後6ヵ月未満の感染例も少なくないため、子猫ちゃんも

要注意です!!


 検査について

少量の血液を採血し、抗原・抗体検出キットにかける方法

判定します。院内で行うことができ、10分ほどで結果が出ます!

外出する子は定期的に検査を行いましょう。

もし、ケンカをしたら、受傷から1ヵ月後に念のため、

検査を受けましょう。


 治療について

もし、感染してしまったら・・・

⑴感染した猫ちゃんはできるだけ室内飼いを! 

⑵できるだけストレスをかけない生活を心がける。

⑶栄養状態に気を付け、水を切らさずに 体内の免疫力の低下を予防する。

⑷貧血、腎臓、肝臓、の機能低下やリンパ節のしこりなどに気を付ける。

また、インターフェロン療法で発症を遅らせることもできます。



 感染予防について

⑴室内飼いの徹底を行う。

⑵避妊・去勢手術の実施。

(行動範囲が狭まり、ケンカのリスクが下がります)

 

以上のことを気を付けながら、大切な猫ちゃんを恐ろしい

ウイルス感染症から守りましょう!              (今井)